こんにちは。編み物の妖精です。
こちらは編み物マニアから初心者さんまで気になりそうな本をピックアップして独断と偏見で紹介するコーナーです。
今回は…
『アランセーター物語』
たかはしきょうこ著 1985年刊 170ページ 480円(当時販売価格)
85年に出た日本ヴォーグ社のまんが文庫です。インパクトありますね。
サブタイトルに「別冊毛糸だま」とあるのも衝撃でした(その当時の毛糸だまを見ても掲載されている様子はありませんでした)。
それはさておき、ページをめくると絵柄も相まって何とも言えない懐かしさが全身を包み込みます。高校生になった主人公まゆと憧れの同級生、俊との恋愛物語の中にアランセーターがキーファクターとなってくるのです。
図書委員のまゆはふとしたきっかけで「アランセーター物語」という本に出合います。そこでアランの模様に関する物語を知ることでセーターを編むことに興味を持ち、俊のために編むことを決意。恋敵も編み始めることを知り編み物魂に火が付いて…。そんな物語の中に編み図やプロセス解説が上手に貼り込んでいるのです。
頑張って編んだアランセーターのおかげもあり、もちろんハッピーエンドで終わるのです。が、もう「好きな人に編む」ことが前提になっている物語進行と時代性と、当時の編み物熱をヒシヒシと感じることができました。
日本ヴォーグ社から漫画タイプでの出版はほどんどないようで(83年~85年に数冊といった具合)
いまの日本ヴォーグ社とのギャップ感じることができる貴重なまんが文庫でした。