とある街の一角にあるケーキ屋さん
ショートケーキ、モンブラン
発色のつよい赤や緑が乗ってるケーキ
バラっぽいのがついてるケーキ
スポンジとバタークリームの調和
それは、昭和のケーキ屋さん
ガラス越しに端から
美味しそうなケーキを一つ一つ眺める
中段の最後のあたりに整然と
つぶらな瞳でならんでいる
それは、たぬきケーキ
最初にシマシマ棒を食べてから
なるべく顔を崩さないように
食べるのが当時の謎なルール
近頃は、めっきり姿を見せなくなって
さみしく思いながら
思い出しつつ編んでみた
文・写真/203gow 参考作品(毛糸だま2017年夏号より)