井上輝美の刺繍放浪記

西アフリカ篇、旅のはじまり - 歌舞音曲の豊かなところ

公開日 2023.07.03 ライター=井上輝美

コラム
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井上輝美
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手芸、お料理のスタイリスト、井上輝美です。『毛糸だま』誌を担当させていただいています。趣味は、旅、音楽、手仕事です。

 

新連載『井上輝美の刺繍放浪記』では、旅の絵日記を刺繍にして小文とともにお届けします。

画像5白い月


この西アフリカ篇はマリ共和国の、ジェンネという古都と、ドゴン族の暮らす断崖の地、バンディアガラを訪れたときのお話です。1988年、1989年にどちらも世界遺産登録されましたが、わたくしの訪問はその直前、1986年のことでした。

画像1ジャンピング・マン
画像2黄金のイヤリング


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『歌舞音曲の豊かなところ』

音楽好きのわたくしが旅先を決めるときに、よく留意することです。

 

キャロル・ベックウィズの『ウォダベ(Wodaabe)族』の写真展に行った折、音楽だけでなく、現地の生活の音も会場に流れていたのがとても居心地よく、心に残りました。「アフリカの音を集めてみようかしら」と、そこで思い付いたのです。

 

音楽に詳しい友人によると、西アフリカは特に音楽が豊かだということです。ちょうどアフリカの古美術を研究している友人が西アフリカに行くことがわかり、最初の方だけでも、とご一緒させていただく展開となりました。

 

当時、西アフリカの多くの国は日本に大使館が無く、パリでビザを申請することに。


東京での仕事に区切りをつけ、友人とはパリのカフェで待ち合わせ。初めてのパリ訪問は、アフリカの大使館巡りだったのです。


ちなみに、SONYの小型テープレコーダーでの録音を初練習したのも、そのサンミッシェルのカフェでした。東京とは違う空気の、街の音。

 

4ヶ国の空港を網羅するチケットが格安だそうで、まずはニジェールから、ブルキナファソ、マリ、コートジボワールへの旅となりました。

画像6ニジェール、ブルキナ・ファソ、マリ、コートジボワール - Created with MapChart


友人もわたくしもそれぞれに忙しく、時々合流して食事をしたり、音楽のあるところを教わったり、雇った車に便乗させていただいたりしながら、憧れのマリ共和国へと向かいました。

 

次回から始まる旅のお話は、マリでのしばらくの一人旅、ジェンネからバンディアガラまでの素朴な道中の記録です。どうぞご期待ください!


一人旅の後には友人と再会し、コートジボワールのアビジャンからパリへと戻りました。1986年、2〜4月のことでした。

画像3
画像4レディ・アフリカ

井上輝美
ライタープロフィール / 井上輝美
手芸、お料理本のスタイリスト。『毛糸だま』誌も担当中。趣味は、旅、音楽、手仕事。
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手芸、お料理本のスタイリスト。『毛糸だま』誌も担当中。趣味は、旅、音楽、手仕事。
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