井上輝美の刺繍放浪記

カンカン・ムーサ【大統領閣下がやってくる-マリ共和国】

公開日 2023.07.20 ライター=井上輝美

コラム
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井上輝美
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カンカン・ムーサ

サハラ砂漠の南に位置するニジェール川と、その支流バニ川の中州に、金や塩の交易で栄えた古い街、ジェンネがある。

 

遥か首都バマコより、定員になるまで出発しないバスを乗り継いで、一日がかりでやってきた。

 

遠く、土漠の果てに忽然と姿を現した土色の街は、小さな城塞都市のような完璧な姿で地面から盛り上がっており、地平線の彼方に憧れの幻を見るかのようだ。

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14世紀にメッカ巡礼を果たしたマリ帝国最盛期の王カンカン・ムーサの黄金は、途中訪れたカイロの金相場を大きく揺るがし、ヨーロッパにも影響を与えたほどであった。しかし、その後の反乱や侵略などにより、16世紀にはあえなく衰退してしまう。

 

わたくしは、栄光の頃より引き継がれてここに残る、世界最大級の泥のモスクを見物に訪れたのであった。

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井上輝美
ライタープロフィール / 井上輝美
手芸、お料理本のスタイリスト。『毛糸だま』誌も担当中。趣味は、旅、音楽、手仕事。
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手芸、お料理本のスタイリスト。『毛糸だま』誌も担当中。趣味は、旅、音楽、手仕事。
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