引き返し編みとは、肩下がりや裾線のカーブなど、横方向の斜線やカーブを編むときに使う編み方で、目を残しながら引き返して編む「編み残しの引き返し編み」と、目を増やしながら引き返して編む「編み進みの引き返し編み」があります。
この記事でご紹介する編み残しの引き返し編みは、肩下がりなどに使う方法です。2段ごとに編み目を残して引き返しながら編みます。必要な回数引き返し編みをしたら最後に段消しをして段差を整えます。
★肩下がりは左側が1段多くなります
記号図を見比べるとよくわかりますが、左側の引き返し編みは右側より1段遅れてスタートします。結果、左側は段消し分が1段多くなっています。これは、段の編み終わりでしか目を残せないために起こってしまうことです。肩をはいで前後身頃をつなげると左右の段差は相殺され、同じ段数になります。
★引き返し編みのしくみとポイント
引き返して編むときにかけ目とすべり目を編むのは、段差を緩和してできるだけなめらかなラインを描くためです。そして、かけ目で増えた目を減らしながら段の境目を整えるために段消しをします。裏から編む段で段消しをするときに目を入れ替えるのは、かけ目の糸が表から見えないようにするためのテクニックです。
目次
表目のとき
右側
1段め(裏から編む段)
2段め(表から編む段)
3段め(裏から編む段)
4段め(表から編む段)
段消し(裏から編む段)
目の入れ替え方(裏から編む段での操作)
左側
1段め(表から編む段)
2段め(裏から編む段)
3段め(表から編む段)
4段め(裏から編む段)
段消し(表から編む段)
裏目のとき
右側
1段め(裏から編む段)
2段め(表から編む段)
段消し(裏から編む段)
目の入れ替え方(裏から編む段での操作)
左側
1段め(表から編む段)
2段め(裏から編む段)
段消し(表から編む段)
かけ目の代わりに段数マーカーを使う場合
右側
2段め(表から編む段)
段消し(裏から編む段)
左側
2段め(裏から編む段)
段消し(表から編む段)
表目のとき
右側
1段め(裏から編む段)
2段め(表から編む段)
3段め(裏から編む段)
4段め(表から編む段)
段消し(裏から編む段)
目の入れ替え方(裏から編む段での操作)
左側
1段め(表から編む段)
2段め(裏から編む段)
3段め(表から編む段)
4段め(裏から編む段)
段消し(表から編む段)
裏目のとき
右側
1段め(裏から編む段)
2段め(表から編む段)
段消し(裏から編む段)
目の入れ替え方(裏から編む段での操作)
左側
1段め(表から編む段)
2段め(裏から編む段)
段消し(表から編む段)
かけ目の代わりに段数マーカーを使う場合
引き返し編みのかけ目がどうしてもゆるくなってしまうときにおすすめの方法です。かけ目をする部分に段数マーカーを入れ、かけ目をせずにすべり目をします。