羊毛倉庫の「作りたい」という気持ち

「限定的」欲望

公開日 2024.04.05 ライター=羊毛倉庫

コラム
コラム
羊毛倉庫
Slider line 1 Slider line 1


[毛糸だま 2013年冬号掲載]


人形作りに使うための素材探しは、私の職業病です。公園でも本屋でも、目は“使える素材”を求めてさ迷います。そう、手芸屋さんだけではないのです。


環境イベントで買った木ぎれ、骨董市では布切れ、海で拾った骨や板きれ。再度入手しようと手がかりを辿っても、まず目的は果たせません。


年々記憶力は低下するのに、再会できない素材だけは色も手触りもサイズも忘れられないのです。


自分が触れないものだって欲しくなります。 映画「ベンジャミン・バトン」の中で手紙の束を結んでいた、白いサテンのリボン。それ私にください!とむなしく画面に訴えたこともありました…。


そして今号の女の子が来ているジャケットの布もまた、私が買った4ヶ月後には売り場ごと消えてしまっていたのでした。 もうちょっと、欲しかったのに…。


画像1

ヘラジカの体も布を使用。いろんな布から選べるのは贅沢な時間です。

羊毛倉庫
ライタープロフィール / 羊毛倉庫
鈴木千晶の人形作家名。東京校を中心に、横浜校、名古屋校、心斎橋校、さらには天神校でも講座を持つヴォーグ学園の人気講師。
https://twitter.com/evicall
羊毛倉庫
ライタープロフィール / 羊毛倉庫
鈴木千晶の人形作家名。東京校を中心に、横浜校、名古屋校、心斎橋校、さらには天神校でも講座を持つヴォーグ学園の人気講師。
https://twitter.com/evicall
article detail content line 1
article detail feat 1 line 1 article detail feat 1 line 2