[毛糸だま 2017年冬号掲載]
この連載のために作る人形も、ヴォーグ学園での課題のために作る人形も、私は常に新しいものをみなさんにお見せできるようにと考えています。
カワイイ女の子の人形ばかりでなく“オジサマ”も羊毛でカッコよく作ることができるはず。
見る人を楽しませようと悩むことは、表現の幅を増やす絶好の機会です。どんな機会も見逃すことはできません。
今どきの世の中のモノは、薄い紙一枚のみならず液晶画面越しに見ることがほとんどでしょう。それは一枚の美しい絵として「いいね!」の一言で評価されています。
私はいつからか、「年賀状」を学園の生徒さんにお願いするようになりました。干支の動物を自由に作って撮影し、レイアウトをデザインして私に送ってくださるようにと。お礼は全員へ私から送る年賀状と、優秀作品選定後にプレゼントする素材の詰め合わせです。
その年賀状が受賞した理由をコメントしつつ、新年は学園各校を廻ります。立体の作品を平面で魅せることも考える。それは各個人の挑む新年への挑戦状なのです。
初めて中世ヨーロッパを意識した紳士を作りました。衣装の時代設定が難しいですね。