フィットニット・修理技術者のメグヲです。ニット修理を生業にしています。
前回あみぐるみのクマさんの修理について紹介しましたが、今回の修理事例はこちら。
ボロボロになってしまったポシェットです。
「母のポシェットを直してもらえないか?」
お客様から渡されたポシェットは想像以上にひどい状態でした。ご自身でも修理をされた跡があり、使い続けていた様子がうかがえます。90歳近いお母様が若い頃に中国で手に入れたというこのポシェットは、たくさんの思い出がつまっています。
ですがこのとおり、裏地も見えてしまっている状態…。
「新しいものを買ってあげるよ」と家族の間でも話が出たそうですが、「やはりこれがよい」ということでなかなか聞き入れてもらえない。しかし、このままでは使うこともできない…。どうにも困り果ててフィットニットへ持ち込まれたのです。
白い土台をはじめ、花もボロボロ、葉っぱも糸が切れてしまっています。まつりを解くと、解いたところからさらに糸が切れて解けてしまいます。
各パーツごとにそのまま使うのか、編み直すのかをあらかじめ決めておいてから修理を進めていきます。
お客様のお話では、修理に出す際、お母様がとても不安そうに「修理に出すの…?」と聞いてきたそう。その不安を安堵に変えてあげるためにも、できる限り元通りの状態へ戻してあげましょう。
白い土台部分は完全に裂けてしまっているため、すべてて編み直し。同じ糸が見つからないため、似た糸を探してきました。
青い花、黄色い花は残っている部分から元の状態を予測しながら編み直しました。写真左側の葉っぱは、特に糸が切れていることもなかったためそのまま使用し、右側の葉っぱは一部つまみ修理をしています。
いかがでしょうか。限りなく元に近い形に戻す事ができたと思います。引き取りにきたお客様も驚いていました。
捨てるしかないと思っていても、なかなか踏ん切りがつかないこともありますよね。
ぜひフィットニットにご相談ください。もう一度、甦らせられるかもしれません。
株式会社フィットニット
Twitter @Fit_Knit_11704
Instagram @fitknit11704

ライタープロフィール / 修理技術者メグヲ
㈱フィットニットの修理技術者。東京・高田馬場にあるフィットニットでは、卓越した技術を持つ修理技術者によるニットの修理・補修のほかリメイクなどを専門に受け付けている。元通りになるのは当たり前。着心地を損なうことなく修復することをポリシーとしている。
http://www.fit-knit.com
ライタープロフィール / 修理技術者メグヲ
㈱フィットニットの修理技術者。東京・高田馬場にあるフィットニットでは、卓越した技術を持つ修理技術者によるニットの修理・補修のほかリメイクなどを専門に受け付けている。元通りになるのは当たり前。着心地を損なうことなく修復することをポリシーとしている。
http://www.fit-knit.com

