巻けば巻くほどドライブ編み【棒針編み】

毛糸だま2022年冬号より

編んでますか？ 編み目記号が好きすぎるアミモノです。

この記事を書いた頃は真夏でしたが、もう正真正銘の編み物シーズンでございます。編んで編んで編みまくることで1目1目が皆様の血肉となり、何物にも代えがたい充実感、幸福感をもたらしてくれるはずです（？）。共に編もうじゃありませんか。

今回は棒針編みの記号、ドライブ編みについて。なぜ「ドライブ」というのか気になってみたので「ドライブ」と検索してみたところ、「①自動車で遠出をすること ②テニス・卓球などで、ボールに回転を与えるように打つこと」とありました。推測になりますが、ドライブ編みを編む際に、棒針をくるんと返すようにして糸を針に巻きつけます。

そのくるんという作業が検索した②につながるのではないでしょうか。これはあくまで推測なので、わかる方がいらっしゃったらぜひご一報くださいね。

このドライブ編み、なんとも楽しいんです。前段でくるくると糸を巻いておき、それを次の段で編むことで、巻いた糸が「ビヨン！」とほどけ、大きな目となるのです。そのビヨン！となる瞬間がなかなかアクロバティックでワクワクしてくるんです。

さらに「何回巻くか」によってビヨン！ の長さが変わってきます。2回巻き、3回巻きが通常なのですが、理論上は5回巻き、10回巻きも可能です。茨の道になることは明白ですが、夢と妄想が広がりまくります。

もちろん見た目もインパクトがあります。伸びた目ではあるものの、ガーター編みと組み合わせるなどして模様を作っていくと、まるで糸が渡っているように見えます。糸の風合いもダイレクトに伝わるので、モヘアやテープヤーンなどを使うと効果絶大。

そして何より編む距離が稼げます。どんどん形になっていくため、巻いた分だけ達成感が倍増します（個人の感想です）。模様のバリエーションとしては、2回巻きと3回巻きなどの巻き回数を変えた目を組み合わせると、あら不思議。波打つドライブ模様ができるではありませんか。

手加減がなかなか難しいのですが、やってみる価値はあるはずです。

ただ巻くだけの模様ですが、巻いた分だけ編み地に新風をもたらしてくれるドライブ編み。裾や袖口のアクセントに入れても良し、ファンシーヤーンの魅力を最大限引き出す模様のひとつなのです。

さあ、レッツ・ドライブ！

20回以上も連載すると、だんだんネタがなくなってきていることを実感していますが、できる限り編み目記号の魅力を伝えていきたいと思う今日この頃。ドライブ編みは夏向きの編み方と思われるかもしれませんが、素材と使い方によっては十分秋冬物にも使えます。今後ともドライブ編みをよろしくお願いいたします！

X : @nv_amimono

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