毛糸だま2023年春号より
編んでますか? 編み目記号が好きすぎるアミモノです。
春はかぎ…という季語があるように(?)かぎ針編みの季節がやってきました。棒針編みも最高ですが、かぎ針編みも負けず劣らず最高なので、ぜひ編みまくっていただけたら幸いです。
今回はピコット。それも「鎖3目の引き抜きピコット限定」のお話です。かぎ針界においてたくさんのピコットが存在しておりますが、その中で最もよく使われるであろう記号にスポットを当てました。
そもそもピコットとは「織物のへりを小さな輪状の突起で飾ったもの。ピコ」とあります(フランス語ではピコと発音。かわいい)。かぎ針編みの鎖目を利用して輪にすることで、縁の飾りを作るものです。
ピコだけでも立派なデザインです。かぎ針編みだけでなく棒針編みの袖口や衿ぐりにも使えるので、編んだことがない人は損をしているかもしれません。かわいいよ?ピコ。
そのピコット界のメジャーリーガーとも言える鎖3目の引き抜きピコットは、大きく「細編みに編む」「長編みに編む」「鎖編みに編む」の3つに分類することができます。
とりあえずこの3つさえ覚えておけば無敵ですので、頭に入れておくとよいでしょう。
編む時のポイントは、引き抜く針を入れる場所。ちゃんと決まっています。
具体的には編み目の「編み目の頭の手前半目と足の糸1本」を拾います。ここを拾うことにより、美しいピコットができあがるのです。鎖編みに編む場合は「4目手前の鎖半目と裏山」に針を入れます。ちゃんと拾わないと鎖目(ネット)が安定しません。
なんちゃってでもピコットは作れますが、こういう細かなポイントの積み重ねこそ、仕上がりに大きな差が出るのです。
3種とも共通しているのは自然な形になるように編んでいるということ。ベースの編み目を邪魔することなく、引き立てているのです。よく「どこに針を入れたらよいかわからない」という声をいただくのですが、ぜひこれを機にご確認いただければと思います。
ピコットはかぎ針編みで一番最初に習う、鎖編み、引き抜き編みだけで構成されています。簡単ではありますが、ピコットは目が行くデザインの重要ポイント。気を抜かず、大切に編んでもらえたら嬉しいです。
アミモノのつぶやき
ピコットは編み図にもよく登場しますが、そのピコットの描きかたがよろしくないと、鬼のように赤字を入れてくる編集者もいます。ピコットは編み図に大量にありますから、それを直すだけでも一苦労なのです。ピコット大事ですよ。ホントに。
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