ニットと修理のエトセトラ

受け継がれるカウチン

公開日 2024.03.08 ライター=修理技術者メグヲ

コラム
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修理技術者メグヲ
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フィットニット・修理技術者のメグヲです。ニット修理を生業にしています。

暖かい日と寒い日と、交互に来るため体調管理が難しいですね。


さて、今回は修理依頼の中でもレアケースをご紹介します。

フィットニットに届いたニットはカウチンジャケットでした。


画像5お客様からの依頼のお手紙


依頼主の亡くなった旦那さんのものだったらしく、娘婿さんに着てもらいたいと思っていたところ、サイズが大きく袖丈を短くしたかったようです。


ほどきづらい縦目を4時間頑張って、なんとか希望の袖丈までほどいたものの、そこから先の編み直しが難しく、今回こちらで修理する流れとなりました。


画像1届いたニットの状況
画像2袖口からほどかれた糸が続いている


袖口からほどかれた糸が続いています。カウチンヤーンは撚りがなく、切れやすいため、取り扱いに注意が必要です。通常のニット修理と違い、今回は手編みをする必要がありそうです。


画像6


もちろん手編みにも精通してるスタッフがいますので、カウチンだろうがなんだろうが、ちゃきちゃき編んでいきます。4本の棒針を巧みに使って袖口を作っていきます。


画像7


ちなみにフィットニットのInstagramでは実際に編んでいる動画もアップする予定です。その他にも様々な修理事例を紹介していますので、合わせて見ていただけたら嬉しいです。


画像3完成した袖口
画像4違和感なく仕上がっている


「きつくなりすぎず、ゆるくなりすぎず」を意識しながら編み直しする必要があること、編み直すと糸に負担がかかるため一発勝負で仕上げないといけないため、見た目以上に難しい修理になります。


画像8修理後のカウチン


ボディに着せてみたところ。全く違和感なく、最初からこのようなデザインだったのでは?と思っていただけるのではないでしょうか。


今回も無事に修理完了です。


画像9撚りのないカウチンヤーン


カウチンヤーンはこうしてアップで見ると撚りがないのがよくわかると思います。「ふぁさぁー」と切れてしまうので、優しく扱ってあげましょう。


画像10カウチンの裏側


裏側はこのような感じです。この独特な編み込み模様がカウチン編みの特徴になります。


さて、いかがだったでしょうか?


まだまだ寒さも続きますが、そんな日には暖かなニット、ポカポカ陽気には薄手の春夏ニットを着て、これからやってくる春を楽しみに過ごしたいですね(花粉症で泣きそうですが)。


フィットニットではHPのお問い合わせを中心に、修理依頼を受け付けていますのでお気軽にお問合せください。かぎ針編み・棒針編み・機械編みに精通しているスタッフがお待ちしております。


★おかげさまで毎日たくさんの修理依頼をいただいております。お問い合わせのお返事にはお時間をいただく場合があり、また修理には2〜3週間ほどお時間をいただいております。あらかじめご了承いただけましたら幸いです。


株式会社フィットニット

http://www.fit-knit.com

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修理技術者メグヲ
ライタープロフィール / 修理技術者メグヲ
㈱フィットニットの修理技術者。東京・高田馬場にあるフィットニットでは、卓越した技術を持つ修理技術者によるニットの修理・補修のほかリメイクなどを専門に受け付けている。元通りになるのは当たり前。着心地を損なうことなく修復することをポリシーとしている。
http://www.fit-knit.com
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