井上輝美の刺繍放浪記

サンブラスの小道Ⅲ【パナマ共和国】

公開日 2024.09.02 ライター=井上輝美

コラム
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井上輝美
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メルセデスⅠ



幸福を与えられたという意味らしい、メルセデスという名前の元気な女性が数日遅れでホテル・アナイにやって来た。


パナマ・シテイに暮らすアメリカ人の彼女は、同行の女友達と島で新年を迎えようというプランらしいが、数日を過ごすための荷物が凄い。


数本の酸素ボンベ、ダイビング・スーツ、釣り道具、大きな凧、巨大なクーラーボックス、後でわかったシャンパンにシャンパン・グラス、電動歯ブラシに至るまで、空輸してでも豊かに過ごそうというタフな気概がお見事だ。


シャワーは雨水、トイレの下は海という、バンガロー・スタイルの簡素なホテルだけれど、宿代にはボート代も含まれていて、目的に合わせて孤島にお弁当付きで連れて行ってくれる。


一人旅のわたくしは、メルセデスたちと同じボートで連日無人島巡りを満喫することとなった。


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凧揚げのできる広いビーチのある島や、メルセデスに手を引かれて初体験だったシュノーケリングは、青い海の下、海底を航海しているように見える、沈没船のスタックしている場所だった。


白いサラサラの砂に少し傾いて横たわる船は、小魚の館。色んな色の魚の群れが交差して行き交かっており、まるでデイズニーのアニメを見るようだ。 魚たちはあまり逃げようともしない。


また、30cmの海面下にある白砂の小島に上陸?した時は、50cmもある巨大スター・フィッシュ(ヒトデ) が、波の縞模様を身に纏い、お洒落に泳いでやってきた。


ウエルカムのご挨拶と、ウキウキとした好奇心のみなぎる雰囲気で。



※2024現在では、環境保善のため、シュノーケリング以外の潜水機器などの持ち込みは禁じられています。

井上輝美
ライタープロフィール / 井上輝美
手芸、お料理本のスタイリスト。『毛糸だま』誌も担当中。趣味は、旅、音楽、手仕事。
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手芸、お料理本のスタイリスト。『毛糸だま』誌も担当中。趣味は、旅、音楽、手仕事。
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