井上輝美の刺繍放浪記

サンブラスの小道Ⅻ【マイアミ経由でバハマへ】

公開日 2025.04.07 ライター=井上輝美

コラム
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井上輝美
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乗り遅れた荷物


我々の乗るセスナ機の両翼は、平らに見えるけれど実はトランクになっていて、スタッフによって左右バランスよく乗客の荷物が格納されていく。


手荷物以外のわたくしの荷物は案の定、マイアミ巨大空港での急な乗り継ぎに間に合わず、明日便で航空会社がホテルに届けてくれるとの説明だった(翌日荷物は無事到着)。


また、このような小型機では、一番体重の重い人がパイロットの隣りの席と決まっている。もしくは、『美人が選ばれる』という、カリビアン・ジョークもあるけれど、その日は3人家族のお父さんが選ばれた。


小柄なわたくしは最後尾の2人席で悠々のスタートである。セスナから見るマイアミ・ビーチの海岸線は、長く広く青いドレスの裾を引き、内海には複雑な椰子の刺繍をトリミングにもあしらって、さすがは有名なリゾート地。 


貫禄漂う美しさである。


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同乗の家族は見飽きているのか、眼下に興味は無い様子。煌めく海を眺めながら、安定した天候のもと1時間ほどで、バハマのノース・エルスエラ国際空港に着地した。


格納庫くらいの簡素な空港で入国手続きを済ませると、3人家族とはここでお別れ。 再度別荘族らしき、杖をついてはいるものの、矍鑠とした笑顔の老婦人と娘さんのペアに入れ替わる。


お二人揃ってシンプルな装いに、素敵なハットや鞄がリッチである。合衆国からは日帰りさえ出来そうなエルスエラはどうやら、このような方々の別荘島でもあるらしい。


乗員3名で再度飛び立ったものの、終着地のRock Sounds空港にはあっという間の15分で到着。我々しかいない、静かな平屋の建物に潮風が吹く。


エアラインの女性にホテルを紹介していただき、先ずはその、『エドウイナズ・プレイス』 という ビーチ沿いのコテージ・ホテルへとタクシーを走らせた。


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井上輝美
ライタープロフィール / 井上輝美
手芸、お料理本のスタイリスト。『毛糸だま』誌も担当中。趣味は、旅、音楽、手仕事。
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手芸、お料理本のスタイリスト。『毛糸だま』誌も担当中。趣味は、旅、音楽、手仕事。
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