ハイカラさんの編造花術

櫻(サクラ)

公開日 2026.05.13 ライター=北川ケイ(彩レース資料室)

コラム
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北川ケイ(彩レース資料室)
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『九重編造花法 松の巻』寺西緑子著 明治40年


近代日本の手芸を研究している北川ケイと申します。


ここでは明治期、ハイカラさんの間で流行した編造花を再現するとともに、作り方のポイントを紹介していきます。今回は私の所蔵する明治40年発行、寺西緑子著『九重編造花法 松の巻』に掲載されている櫻について。


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今年の桜の期間は短く、特にソメイヨシノの華やかさと花吹雪のはかなさが、桜らしい季節でした。


ソメイヨシノは幕末から今の東京都駒込にありました染井村の植木職人によって品種改良されました。樹木が横に大きく広がるため、華やかで人気がある桜となったのです。


そのソメイヨシノの寿命が60年位であることを、ご存じでしょうか。樹齢30~40年がピークで、その後は幹の中が腐り、老化現象が進み、樹木が悪くなるのです。早めにメンテナンスと環境が整えれば、100年以上生きることが可能とされていますが、なかなか難しく、戦後のソメイヨシノは、一斉に枯れ始めて伐採されているのが現状です。


伐採された代わりに、ソメイヨシノ系のジンダイアケボノが植え替えられています。原木は、東京都調布市にある神代植物公園に。少しンピンクが濃く花も小さいようですが、メイヨシノの見事に広がる華を受けついでいる桜です。


来年からは、ジンダイアケボノの花見も楽しみですね。


画像4読み下し/西本朋子 制作再現/竹野みどり

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【編み方】 

◇鎖13目作り目◇帽子編み(細編み)1目◇長編みで中膨れになる様編む◇最終の手前の目を長編みの抜出(中長編み)◇最終の目は帽子編み◇鎖4目◇逆目(裏山)を取って◇最終の帽子編みに帽子編み◇針金を入れる◇反対側を同じように編む◇最終は帽子編み◇捨て目(引き抜き編み)◇同様の編み方で作り目18目の葉2枚◇15目の葉2枚◇13目の葉1枚。 

 

 ◇鎖17目作り目◇初めから数えて15目目の鎖に長編み2つ◇二十からみの長編み(長々編み)◇最終3目残す◇長編みを次第に短かく編む◇長編みの抜出◇最終の目は帽子編み◇片側が終わる◇針金を入れて◇片側を同様に編む◇最終は長編みを2目入れる◇鎖3目◇捨て目で止める(ハートの形になる)◇同様の方法で10枚◇同様の編み方で、鎖13目作り目で3枚。

 

小蕾

 ◇鎖5目を輪にする◇帽子編みで止める◇鎖2目◇長編み5目◇初めの鎖2目のを上部の目に抜出で止める◇捨て目◇3個。

 

 大蕾

◇鎖3目◇最初の目に長編み8目◇同じ目に抜き出し◇捨て目◇同様のもの12個。 

 

 ◇鎖5目を輪にする◇編み初めの目に抜出しで止める◇鎖5目◇逆目を取って◇帽子編みで編み初めの目まで編む◇輪に帽子編みで止める◇繰り返し5回◇同様のもの12個。


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【染め方】

葉・萼

◇黄緑のごく淡き色◇茶色の染汁で◇葉の先から四分ばかり(約1.3cm)下方を染める◇ 萼が半ば乾いたら◇茶色の染汁を筆先に浸す◇その中央へ1、2滴を落して染める

 

画像6『九重編造花法 松の巻』寺西緑子著(明治40年)



北川ケイ(彩レース資料室)
ライタープロフィール / 北川ケイ(彩レース資料室)
日本近代西洋技藝史研究家。日本近代の手芸人の技術力と情熱に魅了され、研究している。(公財)日本手芸普及協会レース編み師範。(一社)彩レース資料室代表。彩レース資料室を神奈川県湯河原で運営中。 『美術九重編造花』スクール開講中。ヴォーグ学園東京校「ハイカラさんの手芸へタイムスリップ!」、読売カルチャー恵比寿、ユザワヤ芸術学院:浦和校、津田沼校
http://blog.livedoor.jp/keikeidaredemo/
北川ケイ(彩レース資料室)
ライタープロフィール / 北川ケイ(彩レース資料室)
日本近代西洋技藝史研究家。日本近代の手芸人の技術力と情熱に魅了され、研究している。(公財)日本手芸普及協会レース編み師範。(一社)彩レース資料室代表。彩レース資料室を神奈川県湯河原で運営中。 『美術九重編造花』スクール開講中。ヴォーグ学園東京校「ハイカラさんの手芸へタイムスリップ!」、読売カルチャー恵比寿、ユザワヤ芸術学院:浦和校、津田沼校
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