世界遺産、そして国宝でもある富岡製糸場の歴史と伝統を受け継ぐ「富岡シルク推進機構」主催の「富岡シルク手編みニット展」が、2月8日から群馬県の富岡製糸場にて開催されます。
古くから養蚕が盛んであった富岡に、1872(明治5)年に日本で最初の官営模範製糸工場として誕生した富岡製糸場。その操業の歴史は日本の近代製糸発展の象徴であり、レンガ造りの圧巻の施設群は和洋技術を混交した近代日本を代表する建造物です。
そんな富岡製糸場で繭を保管する倉庫として使われてきた、国宝・西置繭所(にしおきまゆじょ)にて開催される同ニット展は、大盛況だった昨年に引き続き2回目の開催。全国から集まった、素晴らしい手編み作品66点が展示されます。
作品に使われるのは、富岡市産の養蚕農家が丹精込めて生産した繭からできた手芸用絹糸。群馬・上州の伝統繰糸「上州座繰り」という製法で丁寧に繭から生糸に引き上げられた手芸用絹糸は、ふんわりと軽く空気を含み、艶やかで柔らかな風合い。
通常の生糸の300倍、絹糸の15倍の太さがあるためとても扱い易く、日本のシルクの素晴らしさをより身近に感じることができます。
ニット展では、展示と同時に来場者の人気投票によるコンテストも行われるそう。ストール・ショール、ファッション、あみぐるみ、ファッション小物の各部門の1位入賞者には、富岡シルクのオリジナルシルク製品が贈呈されます。
また、新素材「きびそ」を使った作品も多数展示されます。蚕が繭を作るときに最初に吐き出す糸・きびそを、手編み用の絹糸にオリジナルアレンジしたという同素材は、今回のニット展限定素材。繭から生糸を引くときに3%しか生産されない希少性と、不均一な太さが特徴の糸です。
展示会期間中は富岡シルクギャラリー商品が全品10%オフとなるほか、2月11日には通称 ニット界の貴公子・ニットデザイナーの広瀬光治さんによるトークショーも開催されます(応募期間終了)。
「富岡の養蚕農家が丹精込めて育てた希少な繭から製作した富岡シルクをより身近に感じてほしい」との思いから開催される、富岡シルク手編みニット展。富岡製糸場や養蚕、製糸の歴史を感じながら、富岡シルクの新たな世界を楽しむことができそうです。ぜひ足を運んでみてくださいね。
イベント情報
【日時】
2023年2月8日(水)~2023年2月21日(火)
9:00~17:00(最終入場 16:30)
※最終日は15時まで
【会場】
富岡製糸場 国宝「西置繭所」多目的ホール
群馬県富岡市富岡1
【料金】
展示会見学料:無料
※富岡市民以外は、別途富岡製糸場見学料がかかります
大人 1,000円
高校・大学生(要学生証) 250円
小・中学生 150円
【リンク】
富岡製糸場 お知らせ「第2回 富岡シルク手編みニット展の開催について」