2023年11月末の研修旅行のお話の続きです。
久しぶりの工場見学。クラスの皆と一緒に時間を共有できる貴重な機会です。前編では大阪から和歌山の工場見学について書きました。
和歌山県の島精機製作所の見学後、丸編みニット工場の森下メリヤス工場へ。
ここは1907年創業の歴史ある会社で、4代目の社長自ら学生に説明していただきました。海外の名だたるブランドを得意先としている会社のショールームにはたくさんのサンプルがあり、学生達も興味津々。
中には年代物の貴重な編機もあり、古い吊り編機も見学することができました。編機はシーズンやお客様の要望に応じて、その都度設置するそうなのだとか。歴史を感じさせる雰囲気の中、出番を待つ編機の存在感に、学生達からは「インスタ映えする!」との声も。
生徒たちはそれぞれ感じることがあったようです。
「多くのサンプル編み地を見られて嬉しかった。これからの時代に合った、誠実で環境に優しい仕事が大切だなと」
「丸編機は横編みの編機と違った迫力があり、上にかかる糸の本数も桁違いで驚きました」
「さとうきびやとうもろこしを使った素材や古着を再利用して製品を作ったりと、素材に特化し、環境に対する配慮を感じた」
その後、近くにある吉田染工と貴志川工業へ足を運び、染色機やワインダー、色を作る試験室などの生産ラインを見せていただきました。
すぐ製品に加工することができるよう、島精機製作所のホールガーメント編機やバーチャルで編み地や製品を提案できるデザインシステムも保有しています。染色の会社ですが、製品も手掛けているので、学生達は新しい可能性を感じたようです。
この日は奈良に宿泊し、翌日午前中は修学旅行の定番、東大寺へ。何かと集合写真が多いのもニットデザイン科の旅行の特徴です。
午後は奈良県生駒市の近畿編針へお邪魔しました。
近畿編針は創業100年を超える編針メーカー。竹編み針のブランドSeeknitをご存じの方も多いのではないでしょうか。
会社までの道のりは竹林が広がっています。
ここでは発売前の毛糸を実際に編ませてもらったり、今後のカラー展開など学生の意見を聞いていただき、貴重な交流の機会となりました。
棒針等を作っている工程も見せていただきましたが、残念ながら写真はNG。学生達は実際に職人さんの技術を目の当たりにし、あらためて道具への感謝とニットを楽しめる幸せを感じ取ってくれたたことでしょう。
「作っている人たちの苦労などを実際目にすると、使っている棒針に対して愛着を持つことができた」
「新作の糸を見て、肌触りがとてもよく感動した!色についても相談をしてくれてすごく嬉しかった」
「見学が一瞬で終わってしまったので寂しかった。プレゼント本当に嬉しかったです!これでアイテムを作って身につけたいです」
併設するショップではお買い物タイムが始まり、好きなカラーの毛糸をまとめ買いしたり、道具を購入したり…楽しい時間を過ごしました。
最後には何と一人ひとりに針と毛糸をプレゼントいただきました!
この後、大阪に1泊し東京に戻りました。多くの方の協力いただき、無事に研修旅行を終えることができました。
手編みからコンピュータニットまでトータルに学ぶニットデザイン科ならではの内容だったのではないでしょうか。3泊4日を一緒に過ごすことで、普段話さないクラスメートの会話が弾んだり、見学で将来の事を考えたり。毎年、実り多い旅行であってほしいと願っています。
最後にお世話になった皆さまに、ニットを学ぶ学生へあたたかいご理解、ご協力をいただきました。誌面をお借りし、お礼申し上げます。ありがとうございました!
文化服装学院
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