今回のゲストは「あみだおれフェス」を引き継いで1年半、ハマナカ株式会社の荒谷一輝さん。伺ってみたいのが、そもそもの編み物との出会い。
「大学生の時に、彼女(その後、奥様に)が手編みのマフラーをくれたんです。それが端をゴム編みにしていなかったので、くるっと丸まっていて。『なんでこうなってるん?』って聞いたら、『なんかな、なぜか丸まんねんけど』って。
それで自分でもちょっと編んでみようと思って、母親に見せたら、なんか編み物ができるんですよ(笑)。うちの母親、イケイケの人なので、20歳にして初めて知った母の秘密って感じでした(笑)」母の秘密……。ちなみにお母様の「イケイケ」は活動的の意。60歳を前にスキューバにも挑戦されたとか。ちなみに奥様は洋裁が得意だそう。
イベントの合間に立って編むのもお手のもの
「奥さんからマフラーをもらった年のクリスマスに、帽子を編んでプレゼントしたんです。今考えると、嫌味なことやってるんですけど(笑)。その頃に編み物にハマって、最初に手芸チェーンに就職したのですが、毛糸をもっと知りたくて、ハマナカに入りました。同じウール100%の糸でも何が違うのか勉強できるかなと」
「あみだおれフェス」で直接、糸の話を伝えられるのがうれしいそう。ご自身の編み物も「この糸で何を編もうかな」から始まると言います。
「(モンドリアン風の)このショールは2年前のクリスマスに奥さんに編んだのですが、モヘヤってアンゴラ山羊の毛で、動物の毛って刈れば刈るほど太くなるので、若い頃の毛が一番上質なんです。これはキッドモヘヤと云って、子どもの毛の中でも最初の毛刈りのモヘヤだけを使った糸なので、とても贅沢なんです」
妻へのクリスマスプレゼント。風工房さんのデザインがベースとなっている荒谷さんの糸のお話は尽きない面白さ。では編み物以外の楽しみは?
「僕、バードウォッチングが好きなんです。それこそ京都に来てから、自然が豊かなので。ただ、街中でも見られるんですよ。最初は見つからないんだけど、やっているうちに鳥の声やちょっとした木の揺れで『いる!』ってなる。そこは編み物とも似ているなと思います。鳥って通勤しただけ
でも10種類ぐらい出会えるんですよ。カラスも2種類いるし。鴨川を通ると、水鳥がいたり、コンビニを歩いているセキレイを見かけたり。いつもの道を歩いている日常の中に趣味が入り込んでいる感じが面白くて」
バードウォッチングで撮影したエナガ
ジョウビタキ(メス)。鳥の写真は京都府内で撮ったという今後の夢を伺うと、
「あみだおれがさらに大きくなって、編み物を楽しんでくれる人が増えたら。それこそ夢ですけれど、フェスみたいに音楽と一緒にできたら。縦ノリで音楽に揺れながら皆が編んでいる姿、面白くないですか(笑)」
遊び心が素敵な荒谷さん。
「編み物教室はあっても、〝編み物好き〞がただ集まって一緒に編める場って、そこまでなかったと思うんです。あみだおれには、他のメーカーさんの糸を持ってきていただいてもOKですし、それこそフェスみたいなことができるなら、他メーカーさんとご一緒するのも面白いですよね」
先生と生徒の上下関係でなく横のつながりで。編み物も新時代です。
荒谷一輝:あらたにかずき
京都在住。ハマナカ(株)勤務。学生時代より編み物を始め手芸店勤務を経てハマナカに入社。以後、本格的に編み物を学ぶ。現在、あみだおれフェス担当者として各地を飛び回る。バードウォッチングの他に読書、ラジオ、音楽、アウトドア好きの多趣味。
X:あむゆーずfromハマナカ公式@AMUUSE_JP
Instagram:楽しい手芸のハマナカ@hamanakaamuuse
Youtube:amuusejp(ハマナカ公式)@amuusejp
ライター。『日本映画ナビ』『ステージナビ』をはじめ、新聞・雑誌・ウェブサイト・劇場パンフレットなどで、映画・演劇に関するエッセイやインタビューを執筆。ミサワホームのウェブサイトにて「映画の中の家」、高校生に向けたサイトMammo tvにて「映画のある生活」の他数誌にて映画コラム連載中。
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