北尾惠以子の世界のレース

ヘアピンレース かぎ針編みのできる人なら誰でも楽しめるレース編み

公開日 2023.07.15 更新日 2023.08.10
ライター=北尾惠以子

コラム
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北尾惠以子
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毛糸だま 2013年冬号より


ヘアピンレースは髪に刺すピンを使って編んだのが始まりと言われています。ドイツではフォーク状の器具を使って編まれたのでフォーク編みとも呼ばれています。


かぎ針で編むクロッシェレースの一つで、Uの字のヘアピン編み器に糸を巻きつけ、中央の細編みが伸びないように編み器を回しながら大きなループを作り、細長いひも状のブレードを作ります。編みあげたループをかぎ針で束ね、長方形や円形、半円形など色々な形につないで仕上げるレースです。

画像1繊細なレース 


起源ははっきりしませんが、今から100年以上も前の英国のビクトリア時代に、貴婦人達が楽しんでいたという記録があります。


1887年に英国で出版されたニードルクラフト事典では「ヘアピンのような器具を使って作るレースで、イミテーションの骨で作ったものも使われる。」と紹介されています。


その後、19世紀後半に盛んに作られるようになり、英国の女性誌「ウェルドンの手芸実用書」にはヘアピンレースの編み方が掲載されました。


また、20世紀初期のニードルワーク雑誌には、ヘアピンレースの作品として衿、ボンネット、ドイリー、ハンカチーフ、エプロン、キャミソール、縁飾りなどが紹介されています。

画像2昭和初期のヘアピン編み器


ヘアピンレースは編み器の使い方さえマスターすれば、技法は簡単で、糸の使用量も少なく、短時間で編むことができるので、かぎ針編みのできる人なら誰でも楽しめるレース編みです。

画像3毛糸だま 2013年冬 160号掲載

北尾惠以子
ライタープロフィール / 北尾惠以子
惜しまれながら故人となったレース界の巨人。レース作家・講師として60年以上活動。 『芸術編みクンストレース』『華麗なクラシックバテンレース』『タティングレースのコサージュ&アクセサリー』『基礎からよくわかるカンタンヘアピンレース』等著書多数。レース研究会「針の会」創始者。
北尾惠以子
ライタープロフィール / 北尾惠以子
惜しまれながら故人となったレース界の巨人。レース作家・講師として60年以上活動。 『芸術編みクンストレース』『華麗なクラシックバテンレース』『タティングレースのコサージュ&アクセサリー』『基礎からよくわかるカンタンヘアピンレース』等著書多数。レース研究会「針の会」創始者。
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07

タティングレース 小さなシャトルで作るレース

06

バテンレース 糸で空間をかがって仕上げるレース

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