北尾惠以子の世界のレース

バテンレース 糸で空間をかがって仕上げるレース

公開日 2023.02.21 更新日 2023.08.10
ライター=北尾惠以子

コラム
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北尾惠以子
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毛糸だま 2013年号より


バテンレースはテープで模様を作り、糸で空間をかがってレースに仕上げるので、テープレースとも呼ばれます。また、ブレードレース、バッテンベルグレースとも言われます。


多くの場合、機械で織ったテープを使いますが、手で編んだテープを使う事もあります。


画像1テープレースとも呼ばれる


そのルーツを遡ると、高価なニードルポイントレースの代用品として16世紀末にオランダで考え出された、ルネッサンスレースにたどり着きます。


19世紀後半から20世紀初めには17~18世紀のレースを複製したレースが盛んに作られ、文化レース、モダンレースと呼ばれました。 バテンレースと命名したのは、アメリカ人のレースデザイナー、サラ・ハドレー女史と言われています。


1893年に彼女は「バテンレース」と名付けたテーブルリネンのセットを博覧会に出品しました。1880年代にドイツの貴族バッテンベルグ家と英国王室の間に結婚式が2回もあったため、バテンレース(バッテンべルグレース)と言うネーミングが当時の人々の関心を集め、以後バテンレースと呼ばれるようになったということです。


画像2繊細な作品


バテンレースが日本に伝えられたのは、1892年横浜にあった米国貿易商が日本人の手先の器用さに着目し、作り方を教えたのが始まりとされています。その後、新潟県高田に伝わり、冬の内職として広まりました。現在でもこの地域はバテンレースの産地として知られています。


画像3毛糸だま 2013年夏 158号掲載

北尾惠以子
ライタープロフィール / 北尾惠以子
惜しまれながら故人となったレース界の巨人。レース作家・講師として60年以上活動。 『芸術編みクンストレース』『華麗なクラシックバテンレース』『タティングレースのコサージュ&アクセサリー』『基礎からよくわかるカンタンヘアピンレース』等著書多数。レース研究会「針の会」創始者。
北尾惠以子
ライタープロフィール / 北尾惠以子
惜しまれながら故人となったレース界の巨人。レース作家・講師として60年以上活動。 『芸術編みクンストレース』『華麗なクラシックバテンレース』『タティングレースのコサージュ&アクセサリー』『基礎からよくわかるカンタンヘアピンレース』等著書多数。レース研究会「針の会」創始者。
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