11月中旬、ニットデザイン科では研修旅行に行ってきました。今回は山形県に2泊3日、ニット産地を訪ねる旅です。
山形?と聞いてニットと結びつかない方もいらっしゃるかもしれませんが有名なニットの産地のひとつです。
山形市、寒河江市・山辺町はニットの紡績・染色・編み立て・縫製・加工まで一貫した工場を有する、国内有数の産地です。今回は糸からニット製品になるまでの工程を見学。佐藤繊維、米冨繊維、セイノコーポレーションの3社を見学させていただきました。
それぞれオリジナルブランドを持っていたり、ファクトリーブランドの先駆けであったり、日本のコレクションブランドを支える工場であるため、貴重な見学の機会となりました。
東京駅から山形新幹線に乗り、途中は雪景色。この日、山形は初雪だったそうです。
山形駅に到着する頃には雪は消え、東京と違う冬を感じさせる澄んだ空気に。東北に来たことを実感します。
最初に訪れたのは寒河江市で1932年創業の佐藤繊維です。
お昼は佐藤繊維が手掛ける石蔵をリノベーションしたショップ「GEA」のレストランでランチ
併設するショップには、衣食住さまざまなものが揃い、もちろん自社ブランドのアイテムもありました。
佐藤繊維ではM.&KYOKOやFUGAFUGA、991などのオリジナルブランドを発信しています。
多忙な社長の佐藤正樹さん直々に説明いただきました。実は佐藤社長、科は違いますが文化服装学院の同窓生。現在は文化の同窓会組織「すみれ会」の会長でもあります。ニットデザイン科の卒業生も多く働く会社です。
紡績工程では山形に羊で飼い始められた時代のお話や、創業の頃から続く紡績のお話。貴重な古い機械を前に、羊毛を紡ぐ工程を実演していただきました。
編み立て工程では就職を機に寒河江に移住したニットデザイン科の卒業生、齊藤愛さんが説明してくれることに。卒業生のリアルな現場の話も聞くことができました。これから社会に出ていく学生たちにとって、「ニット」の仕事が一気に身近に感じたのではないでしょうか。
染色工場では普段見ることのない、糸染を見学。糸にこだわり、編み立てから縫製や加工仕上げまでの工程を、見学することができました。
学生たちは
「社長は親切で気さくで、技術や糸づくりへの情熱に満ちており、その姿勢に強く心を動かされました。糸ができるまでの奥深さと職人さんの思いを知り、ものづくりへの尊さを改めて感じました」
「売れているものを追うのではなく、独自のものを作り続けているからだという言葉にも心を打たれました。30年間、糸を捨てていないというのにも驚きました。それがオリジナルの糸や発想に繋がっているのだなと」
「佐藤社長から直接お話を聞くことができてとても貴重な時間でした。山形がなぜニットの産地となったのか、わかりやすい説明が聞けて、どんなネットの情報よりも説得力があり、記憶に残りました」
温かいおもてなしに満ちた研修でした。冬の寒さがすぐそこまで来ているような中、みんなで食べた山形名物「芋煮」。きっと学生たちはずっと憶えていることでしょう。
2日間の工場見学を終え、最終日は山形市の国の重要文化財である文翔館を見学。明治時代の精緻な装飾に目を奪われ、ゆったりと鑑賞することもできました。
卒業後はニット業界で働くようになると、仕事でニット産地を訪問する機会が増えることも。そんな時、「研修旅行でお世話になりました!」の一言があることを願っています。
ニットの生産背景を知ることが、将来業界で働いていく際に、どんなに大切なことか、工場の皆さんの熱い想いは学生たちに伝わったことでしょう。山形がニットの聖地と言われる所以がわかるような気がしました。
今回もニットデザイン科ならではの研修となりました。クラス一緒に過ごすことで、普段話さないクラスメートの会話が弾んだり、見学を通して将来の事を考えたり…。
毎回、実り多い研修であってほしいと願っています。
最後にお世話になった皆様には、ニットを学ぶ学生へあたたかいご理解、ご協力をいただきました。ありがとうございました。
文化服装学院
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bunka_fc(文化服装学院)
bunka_kd_official(ニットデザイン科)
文化服装学院 ニットデザイン科専任教授。文化服装学院ファッション工科専門課程ニットデザイン科。編物科・ニッティング科・産業ニットデザイン科と時代とともに名称を変え、ニット業界を支える人材を長年輩出しています。そのニットデザイン科学生達の奮闘を講師目線でお届けします。
https://www.bunka-fc.ac.jp
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