学生達は夢を編む

手編みの季節

公開日 2025.11.13 ライター=御田昭子

学び
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御田昭子
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手編みの似合う季節がやってきました!


現在、2年生は棒針編みのラグランセーター、3年生はかぎ針編みのカーディガンを制作しています。


2年生はニットデザイン科に進級して初めて棒針に触る学生も多く、セーターを編むため、4月から棒針編みの基礎編みを続けてきました。


表目・裏目を理解して編むことから増減、引き返し編みまで編めるようになりました。



手編みの作品は時間をかけて編むため、自分が着ることを考えてデザインする学生も多いようです。学校の課題には大まかな制作条件がありますが、自分の力量に合わせて編んでもらうようにしています。


きちんと形にし、完成する達成感を得て欲しいと、いつも願っています。


今の時代、たくさんの編み地や編み方がすぐに検索できてしまいます。情報や毛糸を集め、実際に試し編み。試行錯誤が続きます。


デザイン相談では同じ写真をたびたび見せられることも。気になる技法、素材のかぶりが多いこともあります。


それでも糸が違えば全く別物になるのがニットのすごいところではないでしょうか。ちなみに今年のクラスで流行りの技法はハートモチーフと玉編み・ボッブルです。

 

2年生 棒針編み ラグランセーター

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色味はピンク系・白系の淡い柔らかい色が皆さんお好み。インターシャとの組み合わせも人気です。


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まだまだ編み目が揃ってないひとも多く、その場合は素材を工夫したり。


編み目が目立たない糸の組み合わせを考えたり、柄を入れたり、編むまでにいろいろと考える時間も必要ですが、そんな時間もまた楽しいのがニットの魅力の一つでしょうか。


 

3年生 かぎ針編み カーディガン

デザインを決めたらゲージを取り、実物大作図に直接かぎ針のJIS記号を書き込んでいきます。パターンに合わせて、模様数や号数を調節していきます。


3年生になると様々な模様にチャレンジしていきます。記号が読めて・書けて・編めるのがニットデザイン科学生の強み。毎回、作品を作り上げることで各自の編む力が上がっていきます。成長が著しいです。


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時には修正を重ねながら進めていきます。慣れてきたら、ネイルの長さも気にせず、編める学生もいます。


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学生たちは布帛とは異なる魅力を知ると、自由に編み地を作っていきます。そんな豊かな発想を形にするお手伝いができたらと、日々過ごしています。


若い世代にニットが流行っていると言われていますが、ニットデザイン科では編み会のようなことは授業中や放課後など以前から日常でみられる風景です。


ですが、作品や部分編みなどの課題はいわゆる締め切り、「納期」があることです。


ニットデザイン科の編みに向き合う時間は将来につながる教育的な意味があり、ブームとは少々違うようにも感じますが、多くの人に「編み物」が注目されるのは嬉しい限りです。時間が経つのを忘れるくらい、集中できることがあるのは幸せなことです。


今回紹介した編み地がどんな形に仕上がるのか、いまから楽しみです。

 


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御田昭子
ライタープロフィール / 御田昭子
文化服装学院 ニットデザイン科専任教授。文化服装学院ファッション工科専門課程ニットデザイン科。編物科・ニッティング科・産業ニットデザイン科と時代とともに名称を変え、ニット業界を支える人材を長年輩出しています。そのニットデザイン科学生達の奮闘を講師目線でお届けします。
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御田昭子
ライタープロフィール / 御田昭子
文化服装学院 ニットデザイン科専任教授。文化服装学院ファッション工科専門課程ニットデザイン科。編物科・ニッティング科・産業ニットデザイン科と時代とともに名称を変え、ニット業界を支える人材を長年輩出しています。そのニットデザイン科学生達の奮闘を講師目線でお届けします。
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夏の展示会のこと【後半】

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夏の展示会のこと【前半】

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初めての作品制作

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