こんにちは。編み物の妖精です。
こちらは編み物マニアから初心者さんまで気になりそうな本をピックアップして独断と偏見で紹介するコーナーです。
今回は…
『ニットのウエディングドレス』
桂由美監修 1983年刊 208ページ 1,800円(当時販売価格)
豪華絢爛、百花繚乱のドレスが所狭しと並んだ比類なきドレス特化型。これを読んだらドレスが編みたくなる!?という具合の本なのですが、目次を読むだけでも夢が広がります。抜粋してみると…
・純白のウエディングドレス
・晴れの日を美しく
・ドレスに夢をたくして…
・清楚な美、サマーウエディング
・ウエディング&お色直し
・和装の花嫁
・華やかさの中にういういしさが…お色直し
・パーティードレス、輝く素材を使って
・単色を着る
・観劇の装い
・ゴージャスなイブニングドレス
・シックなドレス
・シンプルラインのドレス
・個性派のためのシックなドレス
・ガーデンパーティーの装い
・緑の中のさわやかなドレス
・愛らしいデートドレス/日本の美
と、もの凄いラインナップ。わくわくしませんか?洋装から和装にお色直しに観劇まで!ニットでどこまでやってくれるんだという期待感が目次から伝わってきます。タイトルには「ウエディングドレス」とありますが、全包囲網的にドレスを紹介しています。羊頭狗肉の逆をいくサービス精神には、ただただ脱帽するばかりです。ドレスだけで208ページですよ?
ドレスに使われているテクニックは多種多様。棒針編み、かぎ針編みはもちろんのこと、機械編み(ゴム編み機含む)、刺繍、マクラメ、ヘアピンなどなど。この初心者さんが尻込みしそう技術の協奏曲に、逆に編み物魂に火がつくのではないでしょうか。ただ冷静になってみると「ドレスを着る」という状況だけでもいろいろ準備が必要かと思うのですが、それ以前、「ドレスを編む」ということ自体に相当な覚悟が必要なのでは?とも思いますが…。編む分量がとにかく多いですしね。
ドレスのデザインは80年代のテイストが色濃く出ているものの、十分いけるものばかり。もちろんアレンジしても良いでしょう。とにかくポテンシャルが高すぎるので、編みこなすにはやっぱり技量と覚悟が必要そうです。作り方を見ても「編めることが前提」の表記。むかしの本あるあるなのですが、必要最低限の情報しか掲載されておらず、ドレスなのに1・2ページで作り方が終わっているのです。文字も極小で、いまの毛糸だまが可愛く見えるレヴェルなのです。でも、それゆえに楽しいんです。燃えるんです。
監修の桂由美さんによる「ニットの服装プランと装い方のアドバイス」も掲載されていて、編まずとも読むだけで十分満足感が得られる名著です。